Introduction
「親愛なるニクタ・オブリ様。 あなたの血を、飲みたい。 XX月XX日。ご自慢の立派な邸宅まで伺おう。 派手に歓迎してくれ。 あなたは魅力的で支配力もある。 そんなあなたの最期を左右するのは、私が、ふさわしい。」 吸血鬼から予告状が届いた。 領主はその被害から逃れるべく、家族と使用人を連れ、邸宅から離れた宿屋へと向かった。 滞在期間は休暇もかねて数週間を予定している。 ただのいたずらだ。きっと吸血鬼は来ない。 楽しいバカンスになる、そう思っていた。 しかし翌朝。 領主の遺体が見つかった。 首筋には大きな噛み痕のようなものが残されていた。 この宿屋に吸血鬼は紛れ込んでいるのか。 だとすればそれは、どんな形をしているのだろうか。 愛の形式は多角的で、流動する。 あなたはその様々な形を捉えられるだろうか。
Character
マリー・オブリ
まりー・おぶり
「ねぇ、クロエ。私、あなたを本当に信頼しているのよ。あなたは裏切ったりしない……そうでしょう?」 領主の妻 33歳 一人称:私 物憂げな美人。16年前、領主に嫁いだ。子どもはいない。使用人クロエを故郷の妹と重ね、家族のように可愛がっている。
クロエ
くろえ
「本日もスコーンを焼きました。もちろんマリー様のためです。あとで、クロテッドクリームとジャムと一緒にお持ちしますね。」 使用人 22歳 一人称:わたくし 16年前、領主の屋敷へ来た。主に妻マリーの使用人として働いている。非常に優秀。料理、雑務などを完璧にこなす。
アルマ
あるま
「えーん……アルマさみしい……。だっこして、ぎゅーってしてほしいの……。ねぇ、アルマのほんとうのパパになってくれる?」 少女 6歳 一人称:アルマ 無邪気で可愛らしい女の子。寂しがり屋。常に抱っこしているクマのぬいぐるみの名前は、ホームズ。年のわりに大人っぽい一面を見せることも。
ポール・クーザン
ぽーる・くーざん
「旅人ってさ、なんかいいよね。自由な感じするじゃん。誰にも縛られないで、誰の影響も受けないで生きていける感じがしてさ。……これ、伝わる?」 旅人 32歳 一人称:俺 一見にこやかで人当たりはよいが、本心が見えにくい。旅人という職業のわりに身なりが派手で高価なものを身に着けている。
エクソシスト
えくそしすと
「悪魔祓いのご依頼ですか?いいでしょう。私が見て差し上げます。ふむ……この方は悪魔が原因でこうなっているわけではなさそうですね。出直してきてください。」 エクソシスト 20歳 一人称:私 中性的な容姿。この街のエクソシスト。ポリシーがあるのか頑なに本名を明かさない。独特の世界観を持つ。
ドニーズ・アダン
どにーず・あだん
「光り輝くものを見ると目で追ってしまう習性がありましてなぁ。失礼。悪気はないんですよ、悪気は。いや、本当に。」 老人 50歳 一人称:俺 年齢のわりに食欲旺盛。強い生命力を持っていそう。どこでも暮らしていけるし、きっとそうしてきたのだろう。
Author's Comment
初作品です。 二人で頭を悩ませて制作しました。 少しでも皆さまの心に残る作品になれましたら幸いです。 ご意見・ご感想は下記までお願いいたします。 @mysteriaworks 追記 感想コメント・ポストすべてありがたく拝見しております。 皆さま本当にありがとうございます。