
Philia -フィリア-
MysteriaWorks(ミステリアワークス)
「親愛なるニクタ・オブリ様。
あなたの血を、飲みたい。
XX月XX日。ご自慢の立派な邸宅まで伺おう。
派手に歓迎してくれ。
あなたは魅力的で支配力もある。
そんなあなたの最期を左右するのは、私が、ふさわしい。」
吸血鬼から予告状が届いた。
領主はその被害から逃れるべく、家族と使用人を連れ、邸宅から離れた宿屋へと向かった。
滞在期間は休暇もかねて数週間を予定している。
ただのいたずらだ。きっと吸血鬼は来ない。
楽しいバカンスになる、そう思っていた。
しかし翌朝。
領主の遺体が見つかった。
首筋には大きな噛み痕のようなものが残されていた。
この宿屋に吸血鬼は紛れ込んでいるのか。
だとすればそれは、どんな形をしているのだろうか。
愛の形式は多角的で、流動する。
あなたはその様々な形を捉えられるだろうか。