Introduction
これは人々が剣でもって争いを繰り広げていた時代の話。 あなた方が治める国、朱の王国は決断を迫られていた。12 年にわたり隣国である南の王国と戦争を繰り広げてきた朱の王国であったが、遂に先日、国土防衛の要である聖地が敵国の手によって落とされ、戦況は悪化の一途を辿った。 そんな折に、敵国の王からの「降伏を促す」手紙を携えた敵国の使者が訪れた。 朱の王国の玉座を囲むあなた方は迫られることとなった。「戦争の継続か__降伏か__」 王と国を政治・軍事・宗教によって支えてきた御三家の面々とその騎士らによって、戦争の継続か降伏か、そして、使者の返答をどうするのかが話し合われた。しかし、議論は平行線をたどり、決断は王の判断に委ねられ、翌日に玉座にて、王より告げられることとなった。 しかし、王の口からそれは語られることはなかった。王が玉座に掛けたまま変わり果てた姿で発見されたのだ。王は、斬り殺されていて、剣が身体を貫き玉座に突き刺さっている。血で染まる玉座の前には、王の死を悼むように 1 本の白い花が添えられている。 あなた方は、この事件の真相にたどり着かなければならない。 殺された王の為に、この国の為に、そして、あなたが内に秘める祈りの為に。 ____王を殺したのは誰なのか? ____次なる王を担うのは誰なのか? ____この国の行く末はどうなるのか? 「これは祈りを遂げる物語。」 マーダーミステリー『朱(あか)き亡国(ぼうこく)に捧(ささ)げる祈(いの)り』
Character
王騎士
おうきし
国王の側近として仕える騎士。王の政務の補佐から護衛まで、あらゆる仕事を行っている。騎士道を体現するような誠実さを持つ好青年。冷血と呼ばれる王とは対照的で人当たりが良い。20代後半の赤髪の男性。
軍隊長
ぐんたいちょう
国の軍事を担うブロイ家の当主。軍隊長として軍を率いて、隣国と戦っている。優秀な指揮官であり、屈強な戦士として知られているが、劣勢の戦況を覆すことはできなかった。猛々しい外見で、厳格な人物であるが、部下思いな一面もあるようだ。30代前半の赤髪の男性。
ブロイの騎士
ぶろいのきし
軍隊長に仕える騎士。この国で誰よりも、剣を振るうこと、そして、戦場で人を殺めることに才能があり、一部では”死神”と呼ばれている。馴れ合うことはあまりしない一匹狼な人物であるが、軍隊長のことは慕っているようだ。黒髪の父と赤髪の母を持ち、その髪色は赤と黒が混じり合ったような暗い赤髪をしている。20代前半の女性。
宰相
さいしょう
国の政治を担うロレーヌ家の当主。宰相として、この国の政治を取り仕切っている。堂々とした立ち振る舞いで、人を惹きつけるカリスマ性と、見た者を虜にする妖艶さをまとう人物。30代前半の赤髪の女性。
ロレーヌの騎士
ろれーぬのきし
宰相に仕える騎士。戦争が続き民が意気消沈する昨今でも、常に明るく溌剌とした人物。騎士としての鍛錬は誰よりも熱心に取り組む努力家。田舎の村の出身で丁寧な言葉は少し苦手。20代後半の赤髪の女性。
教皇
きょうこう
国の宗教を担うシャロン家の当主。国教であるアリビオ教の教皇として、信仰を広めている。口髭を蓄えており、常に温和な微笑みを絶やさない人物。「フォッフォッフォッ」と癖のある笑い方をする。40代後半の赤髪の男性。
シスター
シスター
教皇に仕えるシスター。戦争で両親を失い、それをきっかけとして教会に仕えている。困っている人を放っておけない優しさを持ち、穏やかな雰囲気から”聖母”のようと言われることもしばしば。相手が誰でもあっても「~ございます。」と丁寧な言葉を使う。20代前半の赤髪の女性。
Author's Comment
新潟を拠点にマーダーミステリーの制作、公演を行っているCOSMIC MYSTERYです。新潟、東京、大阪にて公演中のこの作品が、このたびUZUに収録となりました。物語と推理を存分に詰め込んだ作品です。皆様の議論と推理の先に、皆様だけの物語を堪能いただけたら幸いです。