あらすじ
7月7日。七夕の朝である。クリスマスに次ぐカップルのための一日に、授業を受ける学生の顔つきは様々であった。中でも、いっとう退屈そうな顔を並べて座っている三人組の女が、講義室の後方にいた。もとより、壇上で熱弁を振るう小太りのこの教授の授業は、女性からの評判がすこぶる悪い。唾を飛ばすねちっこい喋り方や、時折挟まれるつまらない下ネタや、繰り返される過去の業績の自慢話などが理由である。「うちら華の女子大生やで? 何が悲しゅうて七夕におっさんの自慢話聞かなあかんねん」 「安心しろ。お前の祈りが通じて今日は午後から雨予報だ」 「それは単に梅雨だからではありませんの?」 授業は終盤ということもあり、三人の集中力は完全に切れているようである。声のボリュ ームを抑える配慮はするものの、三人の女に雑談をやめる気配はない。 「お、なぞかけ思いついたで。カップルとかけてパチンコととく」 「......そのこころは?」 「どちらも、7が並ぶと喜ぶでしょう」 「くっっっそくだらないですわね」 「うちらもなんか博打でもしよか」 大学の講義室が賭場へ早変わりである。テーマはすぐに決まった。三人が共通して関わりを持っている大学の同回生──七条星乃についてである。 「最近、星乃には彼氏ができたらしい。うちら三人は、星乃がこの彼氏と〈一か月以内に別れる〉または〈一か月以内に別れない〉のどちらかにそれぞれベットする。正解が一人だった場合は、賭け金総取り。正解が二人だった場合は山分け。三人とも同じ方にベットした場合はこの博打は不成立や。それでええな?」 三人は合意した。 授業が終わる15分後、彼女らはどちらにベットするか決断を迫られることとなった──。
キャラクター
平 和穂
たいら かずほ
文学部英文学科所属。学園祭実行委員会他多数の団体に所属し、幅広く顔広くキャンパスライフを送っている。最近は、アッシュブロンドに染めた髪をシニヨンにまとめたヘアスタイルをしている。関西弁のよくしゃべる性格。儲け話に弱い。
矢豆原 希
やまめはら のぞみ
文学部哲学科所属。軽音楽サークルで活動するベーシスト。最近は、濡れ羽色の髪を耳まで見えるフレンチショートにしたヘアスタイルをしている。身長と腰の位置が高く、顔とプロポーションが良い。低気圧に弱い。
日々木 薫子
ひびき かおるこ
薬学部薬学科所属。オカルト研究会で活動するオカルトマニア。最近は、黒絹のような長い髪を伸ばしっぱなしにしたヘアスタイルをしている。生家が素封家のお嬢様だが、味覚と物の考え方は庶民派な部分も多い。乗り物に弱い。
制作者のコメント
シリーズのファンの方に向けた有料のおまけ商品です。犯人当て要素がないので一般的なマダミスとはプレイ感が異なると思います。ご注意を。 〈基本情報〉 ・推奨購入:『オカルト研には手を出すな!』プレイ後 ・ジャンル:会話型ロールプレイングゲーム(犯人当てがないので通常のマーダーミステリーとはプレイ感が異なります)