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ウズで遊べる『青鬼才』のマダミス一覧

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闇に滴る
青鬼才
暗闇の中、四人の女が一様に息をひそめている。 季節は冬。窓の外は嵐。時刻は、午後の八時を回ろうかというところ。 ここは、とある大学のキャンパス中央に位置する第一部室棟の一室──軽音楽サークル“Knight Music”の部室である。 四人はいずれもこの大学に通う学生である。しかし、その関係性を説明するのは殊ことのほか難しい。 学科も違う、サークルも違う、バイト先も違う。通う大学が同じという点を除けば、意外にも彼女たちに共通項は少ない。 が、皆無というわけでもない。例えば、全員が喫煙者であること、人生は騙し合いと信じて疑わないこと、楽をするための努力は惜しまないこと、そして──…… ※ゲームの性質上、一部の方が不快に感じる描写が含まれている場合があります。ご了承の上プレイしてください。
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2021/02/01公開
女には向かない授業 background image
女には向かない授業
青鬼才
7月7日。七夕の朝である。クリスマスに次ぐカップルのための一日に、授業を受ける学生の顔つきは様々であった。中でも、いっとう退屈そうな顔を並べて座っている三人組の女が、講義室の後方にいた。もとより、壇上で熱弁を振るう小太りのこの教授の授業は、女性からの評判がすこぶる悪い。唾を飛ばすねちっこい喋り方や、時折挟まれるつまらない下ネタや、繰り返される過去の業績の自慢話などが理由である。「うちら華の女子大生やで? 何が悲しゅうて七夕におっさんの自慢話聞かなあかんねん」 「安心しろ。お前の祈りが通じて今日は午後から雨予報だ」 「それは単に梅雨だからではありませんの?」 授業は終盤ということもあり、三人の集中力は完全に切れているようである。声のボリュ ームを抑える配慮はするものの、三人の女に雑談をやめる気配はない。 「お、なぞかけ思いついたで。カップルとかけてパチンコととく」 「......そのこころは?」 「どちらも、7が並ぶと喜ぶでしょう」 「くっっっそくだらないですわね」 「うちらもなんか博打でもしよか」 大学の講義室が賭場へ早変わりである。テーマはすぐに決まった。三人が共通して関わりを持っている大学の同回生──七条星乃についてである。 「最近、星乃には彼氏ができたらしい。うちら三人は、星乃がこの彼氏と〈一か月以内に別れる〉または〈一か月以内に別れない〉のどちらかにそれぞれベットする。正解が一人だった場合は、賭け金総取り。正解が二人だった場合は山分け。三人とも同じ方にベットした場合はこの博打は不成立や。それでええな?」 三人は合意した。 授業が終わる15分後、彼女らはどちらにベットするか決断を迫られることとなった──。
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2021/08/13公開
オカルト研には手を出すな! background image
オカルト研には手を出すな!
青鬼才
「で、これがその心霊写真? 三日も徹夜して撮った? あ、それもカンするで」 「しかも今どきフィルムカメラって。気持ち悪いレベルのこだわりね。リーチ」 「へえ……それで、これ、お前が撮影したのか? あ、じゃあこっちもリーチっと」 「ロンですわ、中(ちゅん)のみ千点。……ええ、もちろんですわ、わたくしが苦労して撮った奇跡の1枚ですのよ。オカルトの歴史を一新する傑作であると胸を張って言えますわ。ほら、もっとよく見てくださいまし」 そう言われ、卓の中央に置かれた写真をのぞき込む三人。しかし、すぐさま虚を突かれたような声が響く。 「は、ロン? 中(ちゅん)のみ? そこまで揃ってて?」 「あたしの三倍満四面(さんばいまんよんめん)待ちがそんなクソ手で……」 「私のドラ5単騎(たんき)……」 落胆する三人を見て、残る一人は愉快そうに笑う。「これこれ、これですわ。他人の高目を安手で流す瞬間こそ、このゲームにおける最高の愉悦(ゆえつ)ですのよ!」 三つのため息が重なる。 やってられないわ、とつぶやいて一人の女が席を立つまでそう時間はかからなかった。 「休憩よ、休憩。タバコ吸わせてちょうだい」 四人は去り、部屋は無人となる。 そして、彼女らが喫煙所から戻った時、すでに事件は起きていた。 先刻まで確かに雀卓(じゃんたく)の上にあった件の写真が、消えてなくなるという事件が──
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2020/12/06公開
シガーウォーズ background image
シガーウォーズ
青鬼才
霜月。晴れ渡る晩秋。朝と昼の間の時刻。徐々に増していくキャンパスの喧騒からまるで逃れるように伸びる細い小道の突き当り、そこに古色蒼然とそびえ立つ旧学生会館──通称〈旧館〉の一室に、七人の大学生が集っていた。 部屋の左方に三人、右方にも三人、そして中央に一人。 「彼らがあなたたちの依頼人です」 と、中央の女が告げた。ランドセルを持たせても違和感のないような頑是ない顔立ちだが、表情は七人の中で最も険しい。 彼ら、とはどうやら左方の男女三人のことのようである。聞けば、彼らにはとある容疑がかけられているとのことだ。そして、この三人の中の誰か一人は、間違いなくその犯人であるらしい。ところが、その捜査のための持ち物検査をしようとしたところ、全員が断固拒否したのだという──犯人でないはずの二人も含めて。 「このままでは埒が明かないので、それぞれ一人ずつ荷物の中身を見せられる相手を呼び出してもらうことにしました──それが、あなたたちです」 と、中央の女が右方を向いて続けた。つまり、あなたたち──右方の女三人はこれからそれぞれ依頼主の荷物を検める。それで犯人が明らかになればよし、ならなければ......議論によって犯人を一人に特定する。どうやらそういうことのようだ。 「まあ、蛇の道は蛇と言いますし、不本意ながらあなたたちに託すことにします。どんな手段を使ってでも、犯人の正体を暴いてください」 中央の女が、険しい表情に少しだけ諦観の色をにじませて言う。 「──全面禁煙のこの旧館で、タバコを吸った不届き者の正体を」
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2021/08/13公開
Smoker's Panic background image
Smoker's Panic
青鬼才
自然豊かな山荘へBBQを楽しみに来た三人の女子大生。 ところが、ご多分に漏れず麓へと続く道は通行止め──クローズドサークルが出来上がり、彼女らは一晩この山荘に閉じ込められることとなる。 「あかん、コナ○やったら人が死ぬ展開や」 「言ってる場合か、事件ならもう起きてるよ」 「そうよ、大事件よ、いったいどうするの!」 沈黙の一瞬に、セミの鳴く声がどこかむなしくこだまする。 一人は天を仰ぎ、一人は力なく首を振り、一人は嵐のように叫んだ。 山から下りられないってことは──と。そこで言葉を切り、そして、この世の終わりのような表情を浮かべこう続ける。 「──それじゃあいったい、どうやってタバコを買いに行くのよ!」 そう──三人はもれなく、超のつく愛煙家なのであった。
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2020/12/06公開