コンダクターは破らない
市川憂人・小田ヨシキ・ウズプロダクション
W大学のフレイザー・コナー教授が、世界初の『常温超伝導物質』を発表。一人娘とその恋人の学生、科学ジャーナリスト、同業の研究者が別宅に呼ばれ、私的なパーティーが催される。
そんな中、密室状態の遊戯室でフレイザー・コナー教授の遺体が発見される。
別宅に残されたのは、メイドを含めた五名。
犯人は誰か。工作員か、それとも別の誰かか。
警察への通報手段はなく、外は猛吹雪となっていて麓へ下りることもままならない。
『犯人による全員口封じ』がいつ始まるかもしれない。皆はそれぞれに思惑を抱えながら、事態の悪化を阻止すべく、真相究明――あるいは真相を闇に葬る行動――を開始する。
一方、警察官の漣は上司のマリアとともにW州を訪れていた。10日ほど前に知人から手紙で連絡を受け、別件の捜査に併せて事情を訊くことになっていた。
しかし、指定の場所で知人との対面が果たされることはなかった。コナー家の別宅で起きた六人中五人もの命が奪われた惨事を、二人は捜査資料を基に考察する。