新宿某所、地下に続く階段を降りると、そこには会員制のバーが隠れている。夜な夜なその場所では、秘密の会合や裏取引が行われているとか……。 雲行きが怪しいその夜は、バーに三人の男女が顔を合わせていた。 胡散臭い笑顔のマスターは、誰もいないカウンターの席に彼らを案内する。 裏社会で暗躍するスパイ組織の幹部の面々がひとつの場所に召集されたその目的は、ボス殺しの裏切り者に制裁を与えることだった。

この日、新紙幣の製造が発表された。 新しい紙幣には、これまでの我が国の歴史や社会に多大な貢献を果たした偉人の肖像画が採用される予定だ。 とある貸会議室のスペースにて、集められた候補者たちの熱いディスカッションが行われようとしていた。なんかみんな目が死んでるけど。

大陸の東にあるお屋敷にて、一通の脅迫状が届けられた。 この屋敷に偶然居合わせた四人の容疑者には、自身を潔白する手段を持たない。 お嬢様は、何処へ消えてしまったのだろうか。 やがてお嬢様の行方を巡り、彼女を取り巻く者たちの仮面が暴かれていく。

その報せは予期せぬものだった。 北の国の女王の訃報が届く。 雪解けを待たずして、彼女が死んだと――。 生前に彼女と所縁（ゆかり）のあった彼らは 北の地へ馬車を走らせる。 どうして、彼女は死んだのか。 その最期を確かめるために……。