まくらがえしの夜
しぐれ
山奥の古刹、静寂院。
「あの宿坊では、亡くなった大切な人と、夢の中で逢えるらしいよ」
静寂院の宿坊には「まくらがえし」の儀式により、亡き人の夢を見ることができるという不思議な伝承が残されていた。
ある夏の夜、それぞれの想いを胸に秘めた6人の宿泊客が訪れる。
宿坊の予約フォームには、こう書かれていた。
あなたが夢の中で会いたい方の名前をご記入ください。
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儀式の夜、宿坊に香りたつ煙の中、6人はまくらがえしの儀式に臨む。
しかし、夜明けとともに恐ろしい現実が彼らを待っていた。
住職の物江法隠が何者かに殺害されていたのだ。