三年前の数奇な邂逅
KAZ・安堂きり
この日、とある屋敷に集まったのは『三年前』に数奇な運命に巻き込まれた者たちであった。
ある者は治らない傷を負い、ある者は大病を患った。
すぎた過去と笑い飛ばす者もいれば、消えない思いを心に抱えた者もいる。
たとえ笑顔で語っていても、鍵のかかった心のうちを他人が知るすべはない。
今この時、同じ時間を過ごしているのは本当に偶然なのだろうか、それとも・・・
小説家が開いた食事会に相見(あいまみ)える6人の男女。
明るい雰囲気とは裏腹にその胸の内では様々な思いが交錯していた。
あるいは無意識に予期していた者もいたのかもしれない。
この後におこる惨劇を・・・。