うすあかりのアステリズム
くらじらく
目を覚ますと、そこは夜の学校だった。
ぼんやりする頭で今日の行動を振り返っても、ここにいる心当たりが一切ない。
外に出ようとしてみたが、玄関は固く閉ざされ窓はびくともせず、この建物から出ることができなかった。
静まり返る夜の校舎をさまよい、慣れているはずの廊下をゆっくり歩き、いつしか美術室にたどりついていた。
ドアの閉まる音が廊下に響く。部屋の中央に並べられた最後のイスに座る。
――美術室には、先日屋上から落ちて死んだはずのヒカルと、ヒカルと関わりの深かった女子生徒が4人。
「…久しぶり。私、死んだはずなのにどうしてここにいるんだろう」
ヒカルが言った。
そうだ、どうしてヒカルが死んだのか、ずっと気になっていたのだ。
ふと顔をあげて周りを見る。黒板の隅に書かれているのは、あの日と同じ日付だ。
この校舎は、あの日――ヒカルが死んだ日のまま、止まっているのかもしれない。
すぐに悟った。そう、これは夢なんだ。
明けない夜の校舎、死んだはずの女子高生、関わりのあった4人。
きっと、ヒカルの死の真相を突き止めなければ、ここから出られないのだろう。
※百合・女性同士の恋愛感情を取り扱っている作品です。not百合要素はありません。
※RP・読み合わせがお好きな方におすすめです。謎解きがしたいという方には少し物足りないかもしれません。